日常会話で「概要」を使う機会はそう多くありません。
しかし、仕事の場面ではこの言葉が頻繁に使われたり、学生の皆さんがレポートや論文を書く際に「概要」に触れることもあります。
にもかかわらず、「概要」が具体的に何を意味し、どんな情報を含めるべきかを正確に理解している人は意外にも少ないのです。
この記事では、「概要」の詳細な意味と使い方、さらに「内容」との違いや書き方のルールについて説明します。
「概要」の意味
「概要」とは、「物事の主要な点や全体の枠組みを示す」という意味があります。
この言葉は「がいよう」と読みます。
漢字の「概」には、「大体」や「概略」という意味が含まれ、一方の「要」は「重要な点」や「要約」という意味を持ちます。
従って、「概要」とは、ある事象や文書の核心を簡潔にまとめた表現です。
「概要」の使い方
「概要」は、主要な要素を集約し、大枠の情報を提示する表現です。
例えば、「事件の概要」や「物語の概要」という使い方では、一連の出来事の要点を説明します。
また、「会社概要」や「事業概要」では、重要なデータを要約し、企業や事業の概略を簡潔に伝えることが目的です。
・事件に関する概要を解説する。
・企業の概要を編集する。
・新規事業計画の予算概要を提出する。
・研究論文の概要を確認する。
・プロモーションの概要を発表する。
・最近の電話会議の概要は以下の通りです。
「内容」との違い
「概要」は事柄の大枠や主要な流れを表す言葉です。
一方、「内容」とは事象の詳細な部分を指す言葉であり、日常的にも頻繁に使用されます。「概要」と「内容」の違いは主に以下の通りです。
・「内容」は具体的な詳細や、テキストや発話に表れる具体的な事柄を指します。
言い換えると、「内容」は事柄の詳細全体を示し、「概要」はその概略を捉えます。事象の主要なポイントを抽出し、大まかな目的や流れを提示するのが「概要」の役割です。
「概要」と「内容」は発音が似ていますが、意味する内容は異なります。
「概要」の記述ルール
多くの職場で、「概要」を書く機会に遭遇することがあります。
特定のフォーマットに固執する必要はありませんが、一般的な記述方法をいくつか紹介します。
会社の概要の記述方法
会社や事業の概要を作成する際は、その組織の基本情報を簡潔にまとめます。
記述すべき主要な項目は以下の通りです。
・企業名
・設立年
・本社と支店の所在地
・経営者名
・資本金
・事業の種類
・年間売上高
・従業員数
・グループ会社
・主要取引銀行
これらの情報は通常、企業のウェブサイトや広報資料に記載されており、企業の規模や事業内容、将来の展望などを把握するための重要な手がかりとなります。
文書や研究論文の概要の作成方法
企業の概要がリスト形式で記述されることが多い一方で、業務上、レポートや論文の要約を作成する必要もよくあります。
こうした文書の「概要」では、文書の主要な流れやポイントを簡潔にまとめることが重要です。
概要には以下のような要素を明確にします。
・背景
・分析
・結論
これにより、文書の全体を短く理解できるように整理します。
例えば、プロジェクトの提案書では、計画の目的、手段、期待される利益などを整理して、全体の概略を示します。
長い文書の場合は、内容の要点を「起承転結」の流れで1ページにまとめると効果的です。
具体的には、
・起:背景や動機
・承:問題認識や挑戦
・転:解決策
・結:期待される成果
このように整理することで、企画の全体像がすぐに把握でき、全文を読まずとも、概要からその文書の目的が伝わるように記述します。
「概要」の類語
「概要」と同じ意味を持つ言葉は以下の通りです。
・大要:概ねの内容や事の要点。
・要旨:事柄の大体の内容。
・大筋:全体の流れや主要な部分。
「概要」の対義語
「概要」の反意語には、次のような言葉があります。
・細目:詳しい事項や細部。
・明細:細かい内容や具体的な詳細、またはその記載方法。
まとめ
「概要」とは、事の本質や全体の流れを示す用語です。
例えば、事件の概要を説明したり、企業の概要を確認したり、レポートの概要を作成するなど、業務中にこの言葉を活用する機会は多くあります。
この言葉の正しい意味を理解し、自信を持って使いこなせるようになりましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!